繰上請求 概要
税理士試験でも、実務上も重要な繰上請求です。
繰上請求 理論暗記
問題(穴埋め)と回答 繰上請求
以下の(A)~(Z)までの空欄に入る文言を記載しなさい。
1⃣要件(通38①、徴47①)
(A)には、税務署長は、その(B)、その(C)ことができる。
(1)納付すべき(D)で、その(E)と認められるものがあること。
(2)次の①~⑥のいずれかの要件に該当すること
①納税者の財産につき(F)が開始されたとき(仮登記担保の実行通知がされたときを含む。)
②納税者が死亡した場合において、その(G)をしたとき
③法人である(H)したとき
④その納める義務が(I)である(J)したとき(信託の併合によって終了したときを除く。)
⑤納税者が(K)で、(L)こととなるとき
⑥納税者が(M)により(N)、若しくは(O)、若しくは(P)、若しくは(Q)と認められるとき、又は納税者が国税の(R)、若しくは(S)と認められるとき
納税者が、(T)について、その請求に係る(U)は、徴収職員は、滞納者の国税につき(V)で、その財産を差し押えなければならない。
(A)次のすべての要件に該当する場合(B)納期限を繰り上げ(C)納付を請求する(D)税額の確定した国税(E)納期限までに完納されない(F)強制換価手続(G)相続人が限定承認(H)納税者が解散(I)信託財産責任負担債務(J)国税に係る信託が終了(K)納税管理人を定めない(L)国内に住所及び居所を有しない(M)偽りその他不正の行為(N)国税を免れ(O)免れようとし(P)国税の還付を受け(Q)受けようとした(R)滞納処分の執行を免れ(S)免れようとした(T)繰上請求がされた国税(U)期限までに完納しないとき(V)督促を要しない
2⃣手続(通38②)
繰上請求は、税務署長が、納付すべき税額、その繰上げに係る期限及び納付場所を記載した(W)(源泉徴収による国税で納税の告知がされていないものについては、その(X)した(Y))を(Z)して行う。
(W)繰上請求(X)書請求をする旨を付記(Y)納税告知書(Z)送達
3⃣保証人等への準用(通52⑥、徴32③)
繰上請求の規定は、保証人、第二次納税義務者から国税を徴収する場合について準用する。
繰上請求 Q&A
以下の質問は、繰上請求についての質問とその回答の事例になります。
<ヤフー知恵袋から抜粋>
Q1 ID非公開さん
2015/5/10
国税通則法第38条第1項(繰上請求)、第38条第3項(基準日経過後のいきなり課税)について
質問1:国税通則法第38条第1項(繰上請求)の適用を受けた税は、「交付要求」と「滞納処分(※交付要求との兼ね合いで狭義の滞納処分)」はいずれも可能となるのでしょうか?
質問2:国税通則法第38条第3項(基準日経過後のいきなり課税)の適用を受けた税は、「交付要求」と「滞納処分(※交付要求との兼ね合いで狭義の滞納処分)」はいずれも可能となるのでしょうか?
ご教示お願いいたします。
A1 ベストアンサー tak********さん
2015/5/11
こんにちは。
以下、仰っておられる交付要求は徴収法82①の交付要求として、滞納処分については徴収法47関係の差押えとして解答します。
質問1:国税通則法第38条第1項(繰上請求)の適用を受けた税は、「交付要求」と「滞納処分(※交付要求との兼ね合いで狭義の滞納処分)」はいずれも可能となるのでしょうか?
交付要求(参加才抑え含む)については可能と考えます。差押えについては債権であれば可能と考えます。
繰上請求は納期限を繰り上げる規定です。
ですから、繰上請求を受けた者は繰上請求に係る期限経過後においては滞納者となり、処分要件を滞納者と定めている交付要求も参加差押もこれにより可能となると考えるからです。
ちなみにですが、交付要求以外の「狭義の滞納処分」とは徴収法の何条のことを仰っておられるのでしょうか???
ご教示いただけると助かります。無知ですみません。
質問2:国税通則法第38条第3項(基準日経過後のいきなり課税)の適用を受けた税は、「交付要求」と「滞納処分(※交付要求との兼ね合いで狭義の滞納処分)」はいずれも可能となるのでしょうか?
こっちは難しいですね。
他の租税債権者がする交付要求が法通則法38④(徴収法159⑨準用)の交付要求であれば可能と考えます。
逆に徴収法47①の差し押さえや82①の交付要求は、納税義務が確定した後法38①の繰上請求をしなければできないと考えます。
通則法38③や徴収法159⑨準用の交付要求をした国税については徴収法159⑦により47①の差押えや82①の交付要求とみなされますが、これをしなかった租税債権者についてはすでに繰上保全差押手続が終了していますから、なおも繰上請求が必要であると個人的には考えます。
(繰上保全差押の場面を想定する場合、その後納税義務が確定していれば納期限も到来しているはずですから、ここで繰上請求を論じても実益がないでしょうか。)
なお、繰上保全差押は課税していないのでは???
課税額相当額を早めに認定し、財産を保全する規定ではないでしょうか?
ゆえに、繰上保全差押の規定により差押があった場合においても、実際に納税義務が確定するまでは換価が制限されていますし、他の強制換価手続きが開始され交付要求をした場合においても裁判所は供託しなければならず、配当が制限されています。(民法494)
繰上請求 事例(SNSコメント)
ツイッターでも差押の効力について様々なコメントがなされています。
繰上請求(国税)の要件としては、
— kt@徴税吏員 (@kt_theif) July 2, 2021
①客観的にみて国税を保全する必要があると認められる法定の事情
②主観的にみても国税が納期限までに完納されないと認められる事情
の二つの要件が同時に充足される必要があるとされています(精解1202)。
徴収方途何を書けばいいかわからないですよね、、
— KN@新社会人 (@kn_tax) August 8, 2020
私は普段、国税が通常の差押の要件を満たしているか確認→満たしていなければ繰上請求の事実の有無確認→財産の差押or配当請求手続→第二次、物的、22条、保証人からの徴収手続の順番で考えています😅
初見で答えれる気がしませんが😂
『繰上請求』
— HAL(R4所得) (@haruki_tax) March 25, 2019
→納付すべき税額が確定した場合の保全措置であり、一種の請求行為。
『繰上保全差押え』
→法定申告期限前等において行う、未確定の国税の保全措置であり、直接的な処分権限。
繰上請求 国税徴収法・国税通則法
国税徴収法 繰上請求
(差押の要件)
第四十七条 次の各号の一に該当するときは、徴収職員は、滞納者の国税につきその財産を差し押えなければならない。
一 滞納者が督促を受け、その督促に係る国税をその督促状を発した日から起算して十日を経過した日までに完納しないとき。
二 納税者が国税通則法第三十七条第一項各号(督促)に掲げる国税をその納期限(繰上請求がされた国税については、当該請求に係る期限)までに完納しないとき。
2 国税の納期限後前項第一号に規定する十日を経過した日までに、督促を受けた滞納者につき国税通則法第三十八条第一項各号(繰上請求)の一に該当する事実が生じたときは、徴収職員は、直ちにその財産を差し押えることができる。
3 第二次納税義務者又は保証人について第一項の規定を適用する場合には、同項中「督促状」とあるのは、「納付催告書」とする。
国税通則法 繰上請求
(繰上請求)
第三十八条 税務署長は、次の各号のいずれかに該当する場合において、納付すべき税額の確定した国税(第三号に該当する場合においては、その納める義務が信託財産責任負担債務であるものを除く。)でその納期限までに完納されないと認められるものがあるときは、その納期限を繰り上げ、その納付を請求することができる。
一 納税者の財産につき強制換価手続が開始されたとき(仮登記担保契約に関する法律(昭和五十三年法律第七十八号)第二条第一項(所有権移転の効力の制限等)(同法第二十条(土地等の所有権以外の権利を目的とする契約への準用)において準用する場合を含む。)の規定による通知がされたときを含む。)。
二 納税者が死亡した場合において、その相続人が限定承認をしたとき。
三 法人である納税者が解散したとき。
四 その納める義務が信託財産責任負担債務である国税に係る信託が終了したとき(信託法第百六十三条第五号(信託の終了事由)に掲げる事由によつて終了したときを除く。)。
五 納税者が納税管理人を定めないでこの法律の施行地に住所及び居所を有しないこととなるとき。
六 納税者が偽りその他不正の行為により国税を免れ、若しくは免れようとし、若しくは国税の還付を受け、若しくは受けようとしたと認められるとき、又は納税者が国税の滞納処分の執行を免れ、若しくは免れようとしたと認められるとき。
2 前項の規定による請求は、税務署長が、納付すべき税額、その繰上げに係る期限及び納付場所を記載した繰上請求書(源泉徴収等による国税で納税の告知がされていないものについて同項の規定による請求をする場合には、当該請求をする旨を付記した納税告知書)を送達して行う。
3 第一項各号のいずれかに該当する場合において、次に掲げる国税(納付すべき税額が確定したものを除く。)でその確定後においては当該国税の徴収を確保することができないと認められるものがあるときは、税務署長は、その国税の法定申告期限(課税標準申告書の提出期限を含む。)前に、その確定すると見込まれる国税の金額のうちその徴収を確保するため、あらかじめ、滞納処分を執行することを要すると認める金額を決定することができる。この場合においては、その税務署の当該職員は、その金額を限度として、直ちにその者の財産を差し押さえることができる。
一 納税義務の成立した国税(課税資産の譲渡等に係る消費税を除く。)
二 課税期間が経過した課税資産の譲渡等に係る消費税
三 納税義務の成立した消費税法第四十二条第一項、第四項又は第六項(課税資産の譲渡等及び特定課税仕入れについての中間申告)の規定による申告書に係る消費税
4 国税徴収法第百五十九条第二項から第十一項まで(保全差押え)の規定は、前項の決定があつた場合について準用する。この場合において、同条第五項中「六月」とあるのは、「十月」と読み替えるものとする。