不動産鑑定士

不動産鑑定士の試験内容について合格者が語る

不動産鑑定士試験はどういう試験なのか知りたい、自分にも目指せる資格なのか知りたい、短答式試験と論文式試験の内容を知りたい、こうした人に向けて解説していきます。

 

不動産鑑定士の試験内容

不動産鑑定士の試験内容について、他の資格試験と比べて違う特徴的な部分を3つあげると、①受験資格がない、②短答式試験と論文式試験の2段階方式になっている、③短答式試験に一度合格すると最大3回まで論文式試験を短答式試験免除で受験できる、というところです。
以下順に解説していきます。

不動産鑑定士の試験は受験資格がない

不動産鑑定士試験には受験資格はありません。年齢、学歴、国籍、実務経験等に関係なく誰でも受験することができます。
例えば他の国家資格である税理士試験では、学識や資格、職歴等の受験資格が必要となるため、誰でも受験できる資格にはなっていません。
そのため、不動産鑑定士試験は、実務に携わっている不動産関係者でなくても、他分野、他業種、学生、職種等かまわず受験できる開かれた試験になっています。

不動産鑑定士の試験内容は短答式試験と論文式試験の2段階方式

不動産鑑定士試験は短答式試験と論文式試験の2段階方式になっています。そして試験合格後は、すぐに不動産鑑定士の登録ができるのではなく、実際に鑑定評価書を作成したりする実務修習を修了して資格登録をすることができるようになります。

 

短答式試験

不動産鑑定士試験に合格するには短答式試験と論文式試験の両方に合格する必要があります。
短答式試験はマークシート形式で合格率も30%前後で推移していますので比較的合格しやすい試験となっています。
短答式試験の概要は次のとおりです。
・試験日程 例年5月中旬の日曜日(1日間)
※2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から7月以降に実施予定
・試験地 北海道・宮城県・東京都・新潟県・愛知県・大阪府・広島県・福岡県・沖縄県
・合格発表 例年6月下旬
・試験科目

不動産に関する行政法規(午前・120分)、出題数40問、
不動産の鑑定評価に関する理論(午後・120分)、出題数40問、(マークシート方式)

・出題範囲

行政法規:土地基本法、地価公示法、都市計画法、土地区画整理法、土地緑地法等、行政関係の法律

不動産の鑑定評価に関する理論:不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項

・出題形式:五肢択一式(マークシート方式)

・合格基準
総合点でおおむえね7割を基準に土地鑑定委員会が認めた得点。ただし、総合点のほかに各試験科目ごとに一定の得点を必要とする。

不動産鑑定士試験の勉強時間について合格者の体験談

論文式試験

論文式試験の概要は次のとおりです。
・試験日程 例年8月上旬~(土・日・月の連続する3日間)
※2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から10月以降に実施予定
・試験地 東京都・大阪府・福岡県
・合格発表 例年10月中旬
・試験科目
〔第1日目〕民法(午前・120分)、出題数2問、
経済学(午後・120分)、出題数2問、
〔第2日目〕会計学(午前・120分)、出題数2問、
不動産の鑑定評価に関する理論(午後・120分)、出題数2問、
〔第3日目〕不動産の鑑定評価に関する理論(午前・120分)、出題数2問、
不動産の鑑定評価に関する理論(演習問題)(午後・120分)、出題数2問、

・出題形式:論文式

・出題範囲:
民法:民法第1編から第3編までを中心に、同法第4編及び第5編並びに次の特別法を含む。借地借家法、建物の区分所有等に関する法律
経済学:ミクロ及びマクロの経済理論と政策論
会計学:財務会計論(企業の財務諸表の作成及び理解に必要な会計理論関係法令及び会計諸規則を含む)
不動産の鑑定評価に関する理論:不動産鑑定評価基準及び不動産鑑定評価基準運用上の留意事項

・合格基準
総合点でおおむえね6割を基準に土地鑑定委員会が認めた得点。ただし、総合点のほかに各試験科目ごとに一定の得点を必要とする。

不動産鑑定士試験の勉強時間について合格者の体験談

実務修習

不動産鑑定士の登録をするには、短答式、論文式試験合格後に、実務修習を行い修了する必要があります。
通常1年~2年のコースを選択して講義を受講したり、演習を行い、実際に様々な物件の鑑定評価書を作成していくことになります。
全てのカリキュラムを行っていくと、最後に記述と口述の試験があります。合格率は80~90%程度です。

試験に合格してすぐに登録できる資格でないところが、この国家資格の特徴で、受験生のハードルを上げている要因の一つでもあります。
逆に言えば、すぐに誰でもなれる資格でないことは明らかで、それだけの価値があります。

受験生にとっては、試験合格後の最後の不動産鑑定士として世に出て独り立ちしていくための関門となります。

不動産鑑定士の実務修習とは

 

不動産鑑定士の試験内容は短答式試験免除が最大3回使える

不動産鑑定士試験は短答式と論文式の2段階方式になっていることを先ほど説明しました。
論文式試験を受験する資格を得るには、短答式試験に合格しなければなりません。

通常は5月に短答式試験があり、その合格発表が6月にあります。そして合格していれば、8月の論文式試験を受験できることになります。
この短答式試験に一度合格すると、短答式試験に合格した年も含めて最大3回、短答式試験免除が使えるようになります。
つまり、短答式試験に合格した年、1年後、2年後までは、短答式試験を受験せずに、論文式試験を受験できるようになります。

短答式試験は、鑑定理論と行政法規の2科目のマークシート形式ということになりますが、やはり論文式試験の対策とは別に勉強時間を割り当てる必要が出てきますので、この短答式試験免除はとても助かります。

そして通常の受験スケジュールでは、この3回のチャンスのうちに論文式試験に合格できるように目指していくのがいいでしょう。

不動産鑑定士試験の日程

不動産鑑定士試験の受験願書配布から合格通知書の到着までのスケジュールは以下のとおりです。

大まかな流れは、例年、2月から受験案内、受験願書の配布が始まり、3月までに試験申込をします。5月に短答式試験、6月に短答式試験の合格発表、8月に論文式試験があり、10月に論文式試験の合格発表があります。

※2020年は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点からスケジュールの変更があります。

不動産鑑定士試験の合格率、合格者の属性

不動産鑑定士試験の合格率や合格者の属性の近年の推移を見ると以下のとおりです。

短答式試験の受験者数は近年増加傾向にあります。平成30年、令和元年の合格者数は500人後半で、600人近く合格しています。合格率も32%を超えています。

平成26年の頃と比べて、合格率が上がってきていることがわかります。

 

論文式試験の受験者数も近年増加傾向にあります。また、平成26年から連続して合格者数は増加していて、平成26年84人でしたが、令和元年は121人合格しています。近年合格率は14%を超えています。

短答式試験合格者の属性の推移を見ると、大きな変動はなく、平均年齢は38歳前後で、最年少は18~20歳、最高齢は75~85歳となっています。

論文式試験合格者の属性の推移を見ると、平均年齢は35歳前後で、最年少は18~21歳、最高齢は56~68歳となっています。

短答式試験に比べ最高齢の年齢が低くなっているのを見ると、論文式試験は高齢になるほど合格者が少なくなっていることがわかります。

 

不動産鑑定士の試験内容まとめ

不動産鑑定士の試験内容を見てきましたが、科目やスケジュール、合格者の大体の内容は把握できたと思います。

短答式試験、論文式試験の近年の合格率は増加傾向にあります。今後のこの合格率の傾向が減少していく可能性もありますので、合格率が伸びている今、受験して合格するチャンスかもしれません。

この試験はある程度長期戦で挑んでいくことになりますので、最初に自分の中で目標までの期間を把握しておくことは大切です。ゴールから逆算して今の自分の生活スタイルと合わせて、勉強のスケジュールを組んだり、仕事をしている人であれば、仕事のスケジュールとの調整も必要になっていきます。

この道のりを全てクリアできた人が晴れて不動産鑑定士として登録することができることになります。
これだけ見ても資格登録するとそれだけ価値のある国家資格だということがわかると思います。

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不動産鑑定士の実務修習とは

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