事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務 概要
税理士試験で重要な部分の事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務です。
事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務 理論暗記
問題(穴埋め)と回答 事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務
以下の(A)~(c)までの空欄に入る文言を記載しなさい。
1⃣成立要件(徴38)
(A)ときは、その(B)につき(C)を負う。
(1)納税者が、滞納に係る国税の(D)に、事業を(E)その他納税者と(F)で一定のものに譲渡したこと
(2)その譲受人が、(G)こと
(3)その納税者が(H)を滞納していること
(4)上記(3)の国税につき(I)こと
(A)次のすべての要件に該当する(B)滞納に係る国税(C)第二次納税義務(D)法定納期限の1年前の日後(E)納税者と生計を一にする親族(F)特殊な関係にある個人又は非支配会社(G)同一又は類似の事業を営んでいる(H)譲渡した事業に係る国税(I)滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められ
2⃣第二次納税義務を負う者(徴38)
第二次納税義務者は、納税者から(J)その他納税者と(K)で一定のものである。
(J)事業を譲り受けた生計を一にする親族(K)特殊な関係のある個人又は非支配会社
3⃣第二次納税義務の範囲及び限度(徴39)
(L)の価額を限度とする。
(L)譲受財産
事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務 Q&A
以下の質問は、事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務についての質問とその回答の事例になります。
<ヤフー知恵袋から抜粋>
Q1 kom********さん
2011/5/30
父が亡くなった後に税金を滞納していたことを知り遺産放棄しました。1年後、父が生前、私に贈与した「家」が税金滞納で差し押さえられているから競売にかけると連絡がありました。どうしたらよいのでしょうか
3年前父が死亡。その後父宛に税務署より税金滞納の手紙が届き、莫大な金額を支払い能力がないため遺産放棄し、その旨税務署に連絡しました。
1年後、前記の内容と同じ手紙が父宛に届き、再度税務署に「遺産放棄した」と連絡しました。
さらに半年後、税務署から「父から生前贈与された「家」を差し押さえているので近いうち競売します。決まったら連絡します」と伝えられました。(この時に贈与を受けていたこと、その家が差し押さえられていることをしりました)
その後、何も連絡がないままさらに1年後に税務署から電話れんらくがありました。
私、本人が不在だったため税務署員は支払い義務のない「母」に、 「競売では徴収額に満たないので、家と同タイミングで贈与された土地で不足分を補うようになります」と話し、事の経緯や滞納金額等詳細を話たそうです。
帰宅後、税務署員に確認したところ、「本人が不在だったため、私本人に伝えることを母に伝えた」ということでした。
そこで質問です。
①「差し押さえられた家」だけではなく、「土地」で補うというのはどういうことですか。
今後、どのようにしたらよいのですか。
②税務署員が本人ではなく、その「母」に詳細を話したのはなぜでしょう。 親子関係があれば「個人情報」とみなされないのでしょうか。 公務員には「個人情報の守秘義務」がないのでしょうか。
電話を受けた後、70を超えた高齢の母は持病のぜんそくの発作をおこしてしまいました
<補足>
※相続放棄は法的手続きをとって放棄しています。
※両親は離婚しておりますますので、相続の対象者ではありません。
A1 ベストアンサー ピコタンさんさん
2020/8/17
まず、相続放棄についてですが、適法に相続放棄をされているのかが疑問です。
相続の放棄は、民法第915条に、「相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。」、民法第938条に、「相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。」と規定されており、このような手続きをふまなければ、いくら自分が放棄をしたと言っても法律的に放棄をしたことにはなりません。これは、同じ法定相続人であるお母様も同様です。
上記のように法的効力のある相続放棄をしていない場合には、単純承認をしたとみなされて、お父様の財産(権利)及び債務(義務)をすべて承継することになります。当然、租税債務(税金の支払い義務)も承継することになりますので、相続人がその税金の納付義務を負うことになりますし、納付が完了しなければ差押えがなされることになります。
適法に放棄がなされていた場合でも、国税徴収法第39条(無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務)という規定があり、お父様が国税の滞納をした原因が、その滞納していた国税の法定納期限の一年前の日以後に、お父様が有していた財産について行った贈与等に原因があると認められる場合には、その贈与等により財産を取得した者は、その贈与により受けた利益の限度において、その滞納した国税について納税義務を負うこととされています。
また、お父様が営んでいた事業に従事していた場合には、同法第37条(共同的な事業者の第二次納税義務)、お父様の営んでいた事業を承継している場合には、同法第38条(事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務)により差押えが行われているのかもしれません。
税金の徴収は国家の運営の基礎ですから、租税債権の確保のために様々な手立てが講じられています。
御質問の内容だけでは確定的なことは言えない部分もありますが、「、「土地」で補う」というのは、家屋の競売による収入だけでは滞納税額に足りないという単純な理由によるものだと思います。同時期の贈与であれば、土地についても、上記の国税徴収法第39条の適用が可能ですからね。
今後、どのようにしたらよいのですか。
>その家屋と土地を失いたくないのであれば、税金を支払うことです。支払う意志さえ示していれば、分割納付に応じてくれる場合もあります。(利息は必要ですけど)
②税務署員が本人ではなく、その「母」に詳細を話したのはなぜでしょう。
>お父様の税金の件ですから、お母様にも義務が生じていたのではないでしょうか。はっきりしたことは言えませんが、公務員の守秘義務には抵触しないと思います。
電話を受けた後、70を超えた高齢の母は持病のぜんそくの発作をおこしてしまいました
>これについてはお気の毒だとは思いますが、元々の原因が税金の滞納であることですし、税務署の職員の対応に問題はないように感じます。
補足について
先にも述べましたが、放棄をしても国税徴収法第39条等による第二次納税義務は消滅しません。確定的なことは言えませんが、税務署の職員の言動から第39条(無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務)の規定により納税義務が生じているのだと思います。
お母様自身に第2次納税義務が生じていなければ、離婚しているため、相続による権利義務は承継しません。従って、お母様は部外者ということになります。ただ、納税義務者の母であり、元妻という立場ですから、問題ないという判断だったのでしょう。あなたがその件について問題があると思うなら、そのことを税務署の職員に伝え、以後は直接話してもらうようにすべきでだと思います。
事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務 事例(SNSコメント)
ツイッターで事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務について様々なコメントがされています。
え!!
— Mark / まあく (@mark_temper) December 4, 2019
国徴法38(事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務)の特殊関係者の「使用人」には会社の従業員は当然含むと思っていたが、通達を見るとどうも除かれるように思われる。これは法39の(無償又は著しい低額の譲受人等の第二次納税義務)も同様。
これはすごいことを発見してしまった。 pic.twitter.com/qiUROPC1Re
条文これかな。
— 弁護士黒田厚志(黒田法律事務所) (@kurodalawoffice) December 6, 2018
↓
国税徴収法
(事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務)
第三十八条 納税者が生計を一にする親族その他納税者と特殊な関係のある個人又は被支配会社(括弧内省略)で政令で定めるものに事業を譲渡し、かつ、その譲受人が同一又は類似の事業を営んでいる場合において、
【#95】国税徴収法76日目 事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務 https://t.co/FZyqbvdRJ9 via @YouTube
— とら@税理士試験_国税徴収法_相続税法 (@tora_riron) February 14, 2021
事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務 国税徴収法・国税通則法
国税徴収法 事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務
(事業を譲り受けた特殊関係者の第二次納税義務)
第三十八条 納税者が生計を一にする親族その他納税者と特殊な関係のある個人又は被支配会社(当該納税者を判定の基礎となる株主又は社員として選定した場合に法人税法第六十七条第二項(特定同族会社の特別税率)に規定する会社に該当する会社をいい、これに類する法人を含む。)で政令で定めるものに事業を譲渡し、かつ、その譲受人が同一又は類似の事業を営んでいる場合において、その納税者が当該事業に係る国税を滞納し、その国税につき滞納処分を執行してもなおその徴収すべき額に不足すると認められるときは、その譲受人は、譲受財産の価額の限度において、その滞納に係る国税の第二次納税義務を負う。ただし、その譲渡が滞納に係る国税の法定納期限より一年以上前にされている場合は、この限りでない。